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一越紙について

重要無形文化財の伝統技術を受け継ぎ独自の生産方法を確立させました

一越紙のホームページを訪れてくださり、どうもありがとうございます。
わたしたちは、埼玉県小川町で1300年ともいわれる歴史を持ち、国の重要無形文化財にも指定された「細川紙」の伝統技術を学びました。群馬県前橋市にある知的障がいのある人たちの通所施設に工房を構え、試行錯誤を繰り返しながら、10年以上をかけて独自の生産方法を確立させてきました。

混ぜものなし、原料は楮(こうぞ)100% すべて手作業で硬い木を柔らかな紙に

一越紙の原料となるのは、桑科の落葉低木である楮(こうぞ)です。古代から永きに渡って使われ、他の和紙原料である「雁皮(がんぴ)」や「三椏(みつまた)」などと比べ、繊維が長く優美で強靭で絡みがよいので、軽くしなやかながら、破れにくく水濡れに強い紙ができあがります。日本画材や木版画、写経、表具の用紙、障子紙などに幅広く使われてきました。

一越紙は、この楮を100%使い、自家栽培もしています。混ぜ物はなく、もちろん化学薬品等も使っていません。木は1年で高さ2メートル程度に成長し、毎年若いうちに収穫します。硬い楮の木から柔らかな和紙になるまで、全てを工房内の手作業で仕上げています。

工房に響く木槌の音、黙々と塵を取る人、気が遠くなるような工程の数々

まずは楮の原木を洗って切り分け、釜で蒸す作業から始まり、冷やして皮を剥ぎ、原料処理をします。次に乾燥させた原料を再び水で柔らかくしてさらに煮て不純物を除去し、手作業で細かな塵や木屑を取り除き、硬い木槌でひたすら叩きながら繊維をほぐし、再び塵を取り除きます。綿状になった原料を水槽で溶かし、紙漉用の「漉き桁」と呼ばれる木枠に水を汲んで揺すりながら、平たく漉いていき、それを濡れたまま紙床に積んで圧搾してから乾燥させます。できあがった和紙には、うっすらと木目の線が残っています。

ここからさらに蒟蒻コーティングの加工をする場合は、2回のはけ塗りと乾燥を繰り返します。手作業で和紙をつくるというのは、気が遠くなるような手間と時間と技術が必要なのです。